ネットワークビジネスに関わる法律のお話
ネットワークビジネスは商取引の一つの形態です。
商取引と言う行為は、個別の人間が互いの欲するモノ同士を交換する事です。
太古の昔から貨幣が生み出されるまでの時代は、物々交換が基本だったでしょう。
その後、貨幣が生み出されてからは現在のような取引の基盤は出来たものの、
その価値が不安定だったりする事が多く、色々な問題や被害者が発生しました。
それゆえ、この商取引にはさまざまな決め事を「商法」と言う法律で管理しています。
ネットワークビジネスにおいては、以下の3つの法律が大きく関わると思うので、
それを説明していきましょう。
1)特定商取引法
2)医薬品医療機器等法(旧薬事法)
3)景品表示法
まず【特定商取引法】について
特定商取引法では、ネットワークビジネスを「連鎖販売取引」と規定をし、
ビジネスのやり方や内容など全般にわたってルールを定めています。
中でもネットワークビジネス初心者に、特に気をつけて欲しいことが、
「勧誘目的等不明示(第33条の2)」ですね。
この条文では、知り合いを紹介・勧誘する際に以下の項目を
明らかに相手に伝えるよう求めています。
1. 紹介者の名前や主催企業の名称
2. 特定負担(物の売買)を伴う取引に勧誘する目的である事
3. 商品や役務の種類(どういう活動なのか)
それゆえ、ただ単に「お茶しようよ!」とか「いい話があるんだけど・・・」と
だけ伝えて本題を伏せたりしての勧誘は違法になっちゃう可能性があります。
また、
目的を隠してマンションの一室など公衆の出入りしない場所での勧誘
(第34条第4項)
「誰でも絶対に儲かる!」などの断定的な営業トーク(第38条第1項第2号)
相手が断っているにも関わらずしつこく勧誘する行為(第38条第1項第3号)
も禁止されていますから、気をつけてください。
次に【医薬品医療機器等法(旧薬事法)】について
医薬品医療機器等法は、以前の薬事法が改正されて使われる事に
なった名称ですが、本来はもっと長く、正式には
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
と言います。
でもこれはあまりにも長いので、略称として「薬機法」と呼ぶようです。
特に第2条第3項で「化粧品」の定義について記載されています。
化粧品を紹介する説明において、肌に直接塗る事で認知できる
物理的な作用の表現であれば、許されています。
例えば「肌を整える」とか「皮膚に潤いをあたえる」などの表現は
問題ありません。
逆に「シミが消える」とか「シワがなくなる」と言うトークは、
アウトです。
第68条では、医薬品などの承認を受けていないものについての
効能や効果を告げる事を禁止しています。
サプリメントなどの健康食品に関して「治る」「効く」と言う
表現をしてはならないとする根拠は、この条文に基づきます。
最後に【景品表示法】について
景品表示法は商品やサービスが、不当な表現で表示される事を
規制する法律です。
もしあなたがチラシやネット上で商品を告知する場合、以下に
注意して下さい。
◆第4条1項1号 「優良誤認」表示の禁止
「優良誤認」とは、実際よりも製品が著しく良い物だと消費者に
誤解させる事をいいます。
例えば「たった1日で誰でも簡単にダイエットができる!」と
根拠なく宣伝するような広告が該当します。
今までは違反しても、社名の公表のみに留まっていましたが、
この法律を強化する動きが進んでいて、2014年の改正により、
同法を所管する消費者庁のみならず、他省庁や地方自治体も
運用できる仕組みとなっています。
今後は違反をした事業者に対しては、売り上げに応じた罰金の
支払いを命じる「課徴金制度」も導入されるようです。
まあ、個人レベルでビジネスをやられている方には、
あまりピンとこない内容かもしれませんが、
あくまで「ビジネス活動=商取引」である事は、
絶対に忘れないで下さい。